CRM250ARのアイドリング制御を読み解く

CRM250ARのアイドリング制御を読み解く
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Dec.28,2020 ふぁっきゅう電子制御 地球環境を守ろう

ホンダ CRM250AR

2stとは思えない低速トルクと燃費、そして環境性能をAR燃焼によって実現したマシン。

2stも終わりという世紀末に時代に逆行した反骨精神。これぞ技術のホンダ。

http://chaze.blog.fc2.com/blog-entry-1455.html

ホント無縁単車墓地群様が書いてる通りです。

なによりエンジンに本気出しすぎです。腰下は先代RRからケースは同じなのにわざわざミッションの中身は丸ごと刷新しちゃうとかもうホンダシフトの意地とプライドとしか…規制で2年しか売れないってわかってたのにですよ?

その反動で車体にかける金がなくなったのか車体はすべてにおいて非常にチープです。ぶっとい倒立フォークも中を開けてみればOHも超簡単なシンプル構造、アウターチューブが腐るのも仕様です(笑)。所詮トレールだし、と言いつつもS社とかとは金のかけ方が対照的です。

部品供給的にあと数年で死ぬ未来が見えてるので、昔は2stってのがあってこんな技術もあったんだよー、的なおっさん臭い記録も兼ねてちょろっと機能紹介します。

でもね、卒業して社会人になるまでは死なないでほしいな(笑)!

さて、CRM250ARのAR燃焼というと大型の排気バルブと点火の制御でわざとデトネーションを起こす仕掛けですが、実は排気デバイスだけでなく吸気デバイスも結構大事な制御してます。

特にソレノイドバルブによって2次エアーを導入して薄くする空燃比制御はAR燃焼には必須でAR燃焼/通常燃焼の切り替え制御にも直結してるので結構重要です。

CRM250ARに乗っていると突然進角したり遅角したりで制御されてる感があります。特にAR燃焼のON/OFFはソレノイドが開くか閉じるかの0/1制御なのでAR燃焼と通常燃焼の切り替えが地味に気になるのは事実です。ピュアな2st好きほど、この制御されてる感を嫌がる傾向があり、ARより前のモデルをあえて選ぶ人もいます。

素人考えですが、もしCRM250ARの進化系が出ていたら連続的な空燃比制御によって通常燃焼とAR燃焼の遷移がリニアになっていたのかもしれません。

さてとそろそろ、本題にいきましょう。

CRM250ARにはもうひとつ吸気デバイスがついています。もう一つのソレノイドバルブがアイドリング時のスロットル開度を制御しています。これもAR燃焼だからこその電子制御です。

だいたいキャブでスロットル制御って意味わかんねーよ!って感じですが実際に見てみるとなかなか秀逸なつくりでちょっと感動してしまいました。

そもそも筆者の個体はそもそもアイドルコントロールソレノイドが死んでます。そのままで走っているのだから触らなきゃいいものを好奇心が向くままに取っ払ってみようと思ったのが全ての元凶です。

で、ですね、、、アイキャッチ画像にまでしましたが、CRM250ARって実はスロットルワイヤー2本なんですよ!な~んて言ったとこで驚くのは偏った車種乗ってる人だけですが(笑)。

2stオフのスロットルワイヤーは普通は一本(しかも分離給油は途中で分岐しててY字型!)でダイレクトにスロットルバルブを引っ張り上げてるだけです。戻し側はばねの力だけなので言うなれば強制開式キャブ?

でもCRM250ARのキャブは回転運動をリンクを介してピストンバルブの上下運動に変えているのでちゃんと閉じ側もある強制開閉式キャブ、そんなの恐らくPEキャブでは唯一かと…(バイク全体で見ればこっちの方が普通か)

出典:CRM250ARサービスマニュアル

と、これまたえらくめんどっちいことしてるんです

⇒理由を推測

理由1:スロットルポジションセンサー

可変抵抗を用いた回転角センサーの使用を考えるならやはり回転運動の方が良いですね。

ちなみにイタリア娘のPWKにもスロポジセンサーがついてますが(黄色〇がTPS)、一本引きのままで随分コンパクト。時代の差なのか制御の差なのか…

理由2:アイドルコントロール

まあ、わざわざ特注キャブにした本命はこっちでしょうね。

の前にアイドル開度についておさらい。アイドルスクリューを触ったことある人はしばらく読み飛ばしてください。CRM250ARのアイドル制御は可変式アイドルスクリューみたいなもんですので。

スロットルは完全に閉じ切るとエンジンは吸うものが無くなって止まってしまいます。そのままだとスロットルを離すと閉じ切ってエンストしてしまうので通常はここまでしか閉じちゃダメって範囲をアイドルスクリューって言うネジをストッパーにして制限します。スロットルを離した状態、すなわちアイドリングでのスロットル開度がこのネジの位置で決まります。

それがCRM250ARの場合はアイドルスクリューは別のところにあって、本来あるべき場所には代わりに可動する金属のレバーがついてます。どこまでスロットルを閉じてもいいかのストッパーが固定位置のネジじゃなくて動くレバーなのです。そのレバーはダイヤフラムに繋がっていて、そのダイヤフラムはインシュレーター(インマニ)から負圧で作動します。そのON/OFFをシート下のソレノイドバルブが制御してます。

出典:CRM250ARサービスマニュアル

ソレノイドがONになるとダイヤフラムに負圧がかかってレバーが引き上げられてアイドリング開度は開く方に動いてアイドリング回転数は上がり、ソレノイドOFFだとレバーは自重で落ちてアイドリング開度は閉じる方に動いてアイドリングを維持できずにエンストします。CRM250ARのアイドルスクリューはこのレバーが必要以上持ち上げられてアイドル開度が開きすぎないように上に動ける限界(=ソレノイドON時のアイドル開度)を調整しています。

回りくどくなってしまってすいませんが、結論はこうです。CRM250ARのアイドル制御は確実にエンストさせるための装備です。AR燃焼はデトネーション、これはキーを切ってもエンジンが勝手に回り続けるランオン現象と同じです。だからAR燃焼中は点火を切ってもエンストしてくれません。ならスロットルをアイドル開度以下に完全に閉じて混合気の供給を完全カットする方法を取ったわけです。

CRM250ARのアイドル制御というのはソレノイドONの時はアイドリング、OFFの時はエンスト、それだけです。あと回転が上がってる時もOFFです、といってもそれはスロットル全閉で減速してるときくらいしか関係ないですね。そして3000rpmで一瞬ONになるんですけど…理屈は筆者ごときにはわからんです(AR燃焼脱出と関係?)。

出典:CRM250ARサービスマニュアル

とここまで書いてはみたものの…よっぽど調子崩したりセッティング外さない限りは必要ないんじゃねえか??あっても良かったかな、と思えるのは納車したての時にチョークを戻し忘れてディーゼリングした時ぐらいです(キーを切ってもエンジンが止まらない)。

逆にそういう時でも公道では危険がないように、というホンダの保守的な安全設計なのかもしれません。と言ってもAR燃焼中でスロットル戻らなかったらキルスイッチなんて役に立たないってことですが(→そういう時はトップギアに入れてクラッチつないでエンスト)。

なんだかんだ言って筆者のCRM250ARはソレノイドが壊れたまま問題なく走ってましたし…

ん??てかなんでソレノイドがOFF側に固着したままなのに普通に走ってたんだ??

エンストしないんじゃちゃんと機能してないじゃん(笑)

仮説としては完全にOFF側ではなく少しON側が開通した状態で固着してたとかですかねえ?

ちゃんと検証する気にもならず、そのまま取っ払っちゃいました。エンジンインテーク側は大気開放しちゃまずいのでチューブが刺さってたニップルはゴムキャップで埋めちゃいます。

ちなみにダイヤフラムのチューブを取っ払って大気開放にしたらアイドリングを維持せずきちんとエンストしましたのでダイヤフラムは問題ないようです。

ダイヤフラムも取っ払ったらレバーが落ちてエンストしないように上に押し上げる方法を考えねばなりません。スプリングを使おうにも簡単にはつかなさそうなのでワイヤリング等で上に固定するのも考えましたが、アイドルスクリューで調整できなくなるので却下ですね。

ダイヤフラムassy.を破壊して利用すればスプリング取り付けも楽ちんそうですがそんなもったいないことできません。暇すぎる時にでもダイヤフラムを良い感じに置き換えるステーを自作するとして、今はあきらめてフレームからスプリングで上に引っ張ってみました苦笑。

もう強引な力技です。(真似しないで下さい)

弱いスプリングとはいえキャブごと上に引っ張ってるのはなんか気持ち的にヤダ…いや、これは暫定的措置なのだ。とか言いつつもこれで普通に走ってるので放置しそうな気も…

それにしてもダイヤフラムが破れたらアイドリングできなくなるうえに部品も出ないのでかなり困る気がしますが破れる話もあまり聞かないあたり、耐久性はあるのでしょうね。

だいたい、根本的なこと言えば、ホンダさんはこのオープナレバーをソレノイドバルブとダイヤフラムで制御するとか大がかりなことしないでワイヤー式のチョークレバーみたいな感じでハンドルのレバーで上下操作できるようにしてそれに点火オフのキルスイッチの接点も組み込めば良かったのでは??なんて妄想も。そしたら世にも珍しいメカニカルなキルスイッチですよ(笑)。

ソレノイド使った理由はECUの信号でエンジン停止できるようにだと思いますが、皆どうせクラッチスイッチもサイドスタンドスイッチも取っ払うじゃないですか…て考えるとキルスイッチ以外にエンストさせる信号をECUが出すことなんて無いのでソレノイドである必要はないですよね。

まあ、終わってるバイクですのでいまさらそんなこと言っても無駄ですね。

で、ついでに取っ払った制御を可視化しようということでソレノイドがONの信号でサイドスタンドのインジケータランプが光るように加工しました。配線も近かったですし、まあこれは好奇心というか、趣味です。

前オーナーがサイドスタンドスイッチをぶっ殺してたので活用です。黄/黒線とGNDをリレーの出力側、入力側はソレノイドのカプラーにあわせて住友電装のTS090型防水2極カプラー。これならソレノイドの信号に飽きたらカプラー差し替えるだけで別の信号で光らせることもできます。

で、やはりマニュアルの記載通りアイドリング付近だけでしか光らないですね。あ、ちなみに中華ECUです。てことはほぼ純正通りに動いてますね。でも3000rpmの一瞬ONみたいなのは見られませんでした。やっぱあれは環境対策なんですかねえ??

最後まで読んでいただきありがとうございました。筆者はただの素人ですのであくまでもここの内容は参考程度に、そして間違いあればご指摘いただけると幸いです。